2017年7月31日月曜日

Correspondence; 補液と造影剤腎症

Hydration and contrast-induced kidney injury

Lancet, The, 2017-07-29, Volume 390, Issue 10093, Pages 452-453

■Correspondence
Estelle Nijssenらは造影剤腎症に対する予防に関する報告をした.
Nijssenらが本文中で述べているように,この慣習はガイドラインでも言及されているが,コンセンサスに基づくものである.しかしながら,eGFR29以上における造影剤腎症の高リスク患者において,予防を行わないことを提唱するのは時期尚早ではないか.
Nijssenらの報告では,造影剤腎症の発生率が他の報告と比較して少ない.これは論文で対象となった患者層が,真の高リスク群ではなかった可能性がある.
GFRに基づく閾値は、経皮的冠動脈インターベンションを受けている患者における造影剤腎症のリスクを予測するには難しい.他には,造影剤の使用量が少なかったから,という可能性がある.
私たちが過去に行った研究では,AKIのリスクは低いと示唆されたが,それは造影剤の使用量を腎機能に応じて調節していた.
(中略)
よって,造影剤の量が多い場合などでは予防投与を行わないというのは時期尚早かもしれない.
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久し振りの投稿は,造影剤腎症関連.
こちらの記事に対するCorrespondenceであり,やはり造影剤の投与量について言及しています.逆に言えば造影剤の量を気を付けたり,適切に高リスク群(脱水など)を拾い上げて介入すれば,造影剤腎症はほぼ予防できる,ともいえるのかもしれない.
ただGFR 29以下にはすぐには当てはめられないと思いますが.

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